ジョセフ・ナイ氏
ハーバード大学教授
米戦略国際問題研究所理事
東アジアを考えるとき、大きな問題は中国の台頭だ。中国はもともと西暦500〜1500年には世界最大の国だった。産業革命を機に欧米が成長し、日本がグローバル化の波に乗って大国となった。今は中国がもとのシェアを取り戻しつつある。
一国の力が台頭するとき、様々な不安や不確実性、時に暴力を生む。中国は毎年10%の成長を遂げたことで、私たちに疑問を投げかけるようになった。果たして平和的な発展なのか。紛争が起きるのか。中国人自身にもその答えは分からない。
中国の経済規模は恐らく20年ほどで米国に匹敵するだろうが、国営企業の民営化、格差、政治的な不安定さなど障害が多い。20年後の「大きな中国」を心配するより、こうした「弱い中国」を心配すべきだ。(以下省略)(日本経済新聞 2010年11月4日)
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