2009年6月2日火曜日

信じられないGMの破綻


今朝の報道はGMの破綻一色だ。信じられない。GMのいろいろな技術を日本の自動車会社に移転することに会社生活の殆どを費やしてきた者としては信じたくない。

私は、シボレー、女房はビューイック。アメリカで乗っていたのはともに、GMの車だ。日本車には乗りたくなかった。夜運転していると鹿と衝突すると日本車では死亡事故になる可能性が高いからだ。ピックアップやSUVを作り続け燃費の良い小型車に切り替えなかったのが破綻の原因だとするが、それが全てではない。自動車ローンを債券化して経済的に健全でない人達にまで車を売れる仕組みを作ったことが大きな原因だと考える。住宅のサブプライムローンの破綻と同質の原因だ。モノ作りよりも金融からの利益を優先した。この点ではトヨタ自動車も同じでトヨタ銀行と揶揄されていることを忘れてはならない。

GMには世界で通用する優秀な人材が多くいる。車作りだけでなく基礎研究にも多額の資金を投入している。オバマ大統領が言うように日本が出来るのにGMができないはずがないと思う。GMは必ず再生すると信じている。日本の報道内容には偏りがあり、日本人の受け止め方を誤ませていることが多い。報道陣の質の低下としか思えない。読売新聞の記者が他社の記事を盗用していたことからもそれがうかがえる。よく調べ深く掘り下げて取材してから報道してほしい。

それにしても、日本企業では考えられないだろうが、年金や医療費を退職者に一生支払うのが優良なアメリカ企業なのだ。GMの場合にもこれが大きな負担となった。人種、年齢や性別で差別することを禁じている憲法により保護され従業員の定年はない。自分で退職を申し出るまでいつまでも働くことができる。友人は75才まで元気に働いていた。もちろん、早く引退生活を始める人もいる。人それぞれの生き方ができる。これがアメリカの強さを生みだしてきた。一方、このような制度は企業にとって経営面で非常に不利なので、日本企業は知らず存ぜぬを決めつけてきた。だから、今のような経済不況に陥ると日本人の苦しみは過酷となる。首を切られたら路頭に迷うしかないのだから。いったい日本の誇る終身雇用制度はどこに行ったのかと言いたい。

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